トランプの空手型とアメリカの良識


sep.11th fri. 2026

アメリカ政治から、またとんでもないニュースが飛び込んできた。

トランプ氏が「共和党が中間選挙で勝てば全成人に1人あたり5,000ドル(約77万円)を配る」とぶち上げたのだ。

日本の感覚からすれば露骨な買収そのものに見えるが、政策の体裁をとることで法的なグレーゾーンを突いている。だが、全成人に配れば総額1.2兆ドル(約180兆円以上)という巨額の財源が必要で、連邦議会を通るはずがない。当選したところで実現できるわけがなく、ハナから達成する気のない「巨大な空手形(公約違反)」になるのは目に見えている。

それでもこんな無茶苦茶なカードを切ってくるあたり、与党側の焦りと情勢の厳しさが強烈に透けて見える。

普通なら「そんな大嘘をついたら信用を失う」と思うのだが、現代のポピュリズム政治では地味な真実よりも話題を独占するインパクトが優先されてしまう。「嘘でも言ったもん勝ち」という構造ができあがっているのが実に恐ろしいところだ。

日本でも甘い言葉で集票を狙う手法はあるが、アメリカのこの「嘘のスケールのデカさ」には呆れを通り越して感心すらしてしまう。

目先の「5,000ドル」という甘い言葉に飛びつくのか、それとも「そんなの実現するわけがない」と冷徹に見抜くのか。アメリカの有権者一人ひとりの良識が試されている。

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