カピレイラとシエラネバダの山岳ルート


oct. 22nd thu. 2026

日本のパスポート取得率は17.8%ほどだという。世界的な経済力や治安の良さを考えれば、驚くほど低い数字だ。

島国という物理的なハードルや、国内旅行だけでも十分に完結してしまうインフラの充実があるのだろうけれど、世界どこへでも行きやすい「最強のパスポート」を持っていながら約8割の人が持っていないというのは、少しもったいない気もしてしまう。

これまでハワイ、アメリカ本土、スペインに2回、そしてベトナムと、海外でレンタカーを運転する機会があった。いまやスマホがドラレコ代わりになり、ナビも進化して便利になったけれど、郊外の道は日本ほど入り組んでおらず、自分の感覚と判断だけで走り抜けるドライブは格別の楽しさがある。

なかでも印象に残っているのが、スペイン南部のアンダルシア地方、アルプハラにある白い村・カピレイラでのことだ。

現地で近くに住んでいた画家を隣村まで送ることになったのだが、軽い気持ちで走り出したその道が、まさか本格的なシエラネバダの山越えルートに繋がっているとは思いもしなかった。

しかも、その山越えのワインディングロードには、ガードレールすらなかった。崖っぷちに沿うようなつづら折りの道を、防護壁もない状態で進んでいく。地元の画家を乗せている手前、あまり冷や汗をかいている姿も見せられないという妙なプレッシャーもありつつ、自分の運転テクニックだけを頼りにハンドルを握った。

このシエラネバダの山岳ルートは、雪や凍結の関係で春夏秋の限られた時期しか通行できない。もし季節がずれていたら、あの険しい山越えどころかカピレイラへ至る道自体が通れなかったはずだ。確か9月だったかな。

無事に通り抜けられたのは、季節とタイミングのめぐり合わせがピタッとハマったからこそ。旅の神様の粋な計らいというやつだろう。
翌年妻とまたここを訪れたけど、帰りは来た道を戻って海へ行ったっけな。

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